婦人科診療

月経異常

月経の異常には、①周期の異常と②経血量の異常があります。

 

①月経周期の異常

月経が始まってから次の月経が始まる前の日までが、月経周期です。
正常な月経周期は25~38日。それより長い場合は「希発月経」、短い場合は「頻発月経」といいます。
1週間くらい周期が乱れていたとしても、定期的に月経が来ていればあまり心配ありません。 また、妊娠以外の原因で3か月以上月経がない場合は無月経が考えられます。

希発月経(月経周期が延長して39日以上できた月経)であっても、定期的で排卵があればそれほど心配はありませんが、周期が長くなっていく場合は卵巣や甲状腺の機能不全の可能性があります。

頻発月経(月経周期が24日以下)の場合、排卵が保たれている事もありますが、無排卵性月経が最も考えられます。 無排卵の状態を放置しておくと自然に排卵しなくなってしまうケースもあるので、基礎体温で無排卵が疑われる場合は早めに治療を受けましょう。
ただし初経後1年ぐらいの時期や更年期の年齢で起こる無排卵性月経は、あまり心配はないと言えます。

 

②経血量の異常

月経の際の出血(経血)量には個人差があるものですが、頻繁にナプキンを交換しても間に合わない場合は「過多月経」、ナプキンを使わなくて大丈夫なほど経血量が少ない場合は「過少月経」の可能性があります。

  • 過多月経
    通常の経血量は2時間おきにナプキンを交換すれば間に合う程度の量とされています。
    それ以上頻繁に交換が必要な場合や、レバーのような塊が混ざっている場合は過多月経の可能性があります。 特に健康診断で貧血を指摘されている場合は治療が必要です。
    原因として子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの子宮の異常が疑われますが、稀に血液疾患が原因のこともあります。 早めに婦人科の診察を受け、原因を調べることが必要です。
  • 過少月経
    ナプキンを使わなくても大丈夫なくらい経血量が少ない場合や、茶色いおりものしか出ない場合は過少月経です。
    低用量ピルを使用している方や、閉経が近い場合には異常ではありませんが、過小月経を繰り返している場合は無排卵月経やホルモン分泌の異常などが原因として考えられますので婦人科で診察を受けましょう。