不妊治療

よくあるご質問

不妊症の検査はいつごろ受ければいいの?

避妊をやめて1年ほど経過しても妊娠しない場合、不妊症の検査を受ける目安と考えてください。

ただし、年齢や月経不順など不妊症をきたしやすい要因があるときは、早めの検査をお勧めします。

費用はどれくらいかかりますか?

不妊スクリーニング検査を行った場合の自己負担金額は、個人にもよりますが、おおよそ約20,000円です。

不妊症になる原因を教えてください

不妊症には、女性側の原因(35-40%)、男性側の原因(35-40%)、原因不明の不妊(10-20%)があります。

具体的には、以下のような原因が考えられます。

女性側の原因(35-40%)

  • 卵管障害
    精子と卵子の出会う卵管が塞がっていたり、細くなっているため、受精しにくくなっている状態。
  • 黄体機能不全
    子宮内膜を着床しやすい環境にする黄体ホルモンの分泌が低下している状態。
  • 排卵障害
    卵子が育たない、または排卵できない状態。
  • 子宮の異常
    子宮内膜症や子宮筋腫などが原因で、受精卵が着床しにくくなっていたり、着床しても流産しやすくなっている状態。
  • 子宮頚管の通過障害
    子宮頚管から頚管粘液が分泌されず、精子が子宮腔内へスムーズに進むことができない状態
  • 抗精子抗体
    精子を攻撃する抗体であり、この抗体をもつ場合、女性の体内に精子が射出された後、卵子と精子が出合うまでに多くの精子が動かなくなり受精しにくくなる。

男性側の原因(35-40%)

  • 精管通過障害
    精子の通り道である精管が塞がっている状態。
  • 性交障害
    勃起障害や射精障害などで性交がうまくできない状態。
  • 精子の異常
    精子がつくられない、数が少ない、または動きが悪いなど、卵管までたどり着く確率が低くなる状態。

 

原因不明の不妊(10-20%)

さまざまな不妊症検査を行っても原因の特定ができない場合

卵管鏡下卵管形成術(FT法)とはなんですか?

卵管が詰まったり、狭くなることで、卵子や精子が卵管を通ることができない卵管性不妊を対象にした内視鏡治療のひとつです。
カテーテルと呼ばれる細い管を経膣的に子宮内から卵管に挿入し、内視鏡で卵管内の状態を確認したり、癒着を剥離して通過性を回復させる体に負担の少ない治療法です。
詳しくはこちら。

麻酔はするのですか?

日帰りでのFT法については、通常は静脈麻酔で行います。

手術時や手術後に痛みはありますか?

手術時の痛みには個人差があります。処置中は麻酔を行っているので、痛みの心配はありません。
手術後は、一般に15~30分程度で消失すると言われています。

FT法を実施した後の妊娠率はどのくらいですか?

卵管の開通率は75%以上、妊娠率は30~35%といわれています。

健康保険は適用されますか?

健康保険適用手術です。一部を除いて高額療養費制度の適用となります。

体外受精とはどんな治療ですか?

何らかの原因で妊娠できなくなった場合に、卵巣から卵子を取り出して、体外で受精させてから、再び卵子を子宮に戻す方法です。
詳しくは「体外受精について」をご覧ください。

人工授精と体外受精の違い

医術処置で妊娠させる手段として、人工授精と体外受精があります。

人工授精は、排卵の時期を見計らって精液を子宮腔内注入する方法になります。体外受精は、卵子を取り出してから体外で受精させて、再び子宮に戻す方法をとります。体外受精と人工授精、この二つの言葉は似ていますが、妊娠するまでの方法が異なります。

検体及び胚の取り違え防止対策について

当院ではラボ業務において検体及び胚の取り違えを防止するために以下の事を徹底しています。

  • 患者様より検体(精子など)をお預かりするときには伝票と検体名が一致していることを確認いたします。記名の無いものはお預かりできません。
  • 人工授精・採卵・胚移植の目的で採卵室に入室された患者様の確認のために本人様のフルネーム及び生年月日、ご主人様のフルネーム及び生年月日をお尋ねいたします。
  • 胚を取り扱う場合には作業台上に一度に二人以上の胚を置くことはありません。必ず一人の作業が終わってから作業台をかたづけ、消毒してから次の患者様の作業に取り掛ります。
  • 胚を取り扱う場合には実施者と確認者の二人で作業するようにしています。
一人目の妊娠はすんなりできたのですが、二人目の妊娠が思うよ
うにできません。

いわゆる二人目不妊と言われる状態で、不妊外来ではよくある訴えです。一人目の妊娠から時間が経過しているため、子宮筋腫や子宮内膜症などが原因となっていることもありますが、精液所見の悪化など男性側が原因であることや、妊娠・出産により卵管の通過性が悪くなっていることも少なくありません。妊娠を希望して避妊もしていないのに妊娠しない場合は、不妊スクリーニング検査を受けることをお勧めします。

人工授精から体外受精へのステップアップを考える時期は?

人工授精は洗浄処理を行った精子洗浄液を子宮内腔に注入することにより、卵管への精子の進行を手助けする治療です。
治療成績については実施回数が6 回を超えると累積妊娠数が横ばいとなることから、有効実施回数としては6回を目安と考えています。
もちろん治療を急ぐ方もおられますので、当院では4回から6回を目安にして体外受精へ のステップアップを情報提供するようにしています。